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世界最速男の戦い・パウエルとボルトの一騎打ち（３）
朝、新聞を何気なく見た。ケビンの机においてあったのだ。ケビンは仕事の仲間である。新聞に、ボルトおよびパウエルの写真がでかでかと載っている。「ジャマイカのエース、選手村をチェック！」日本の東スポとか日刊現代のような見出しがドン！と表紙を飾っている。「選手村をチェックしたから、だからどうなんだ！」と言いたくなる。どうでもいい記事である。ジャマイカのエースというのは、もちろんボルトとパウエルである。そして...
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世界最速男の戦い（４）
本日は、100ｍ男子の決勝ですね。きっと、ボルトとパウエルの一騎打ちだと思う。でも、この二人はちゃんと決勝に残っているんだろうか。テレビや新聞を見てないから、全然わからない。この二人が決勝に出るという前提で、強引に話を進めます。６月に、二人の熱い戦いをジャマイカで見たのだ。世界一位と二位の対決。きっと、みんな賭けるための資料がほしいと思うので（だれも賭けない賭けない）、そのための貴重な前走の結果を報...
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ジャマイカが沸いている！
ウセイン・ボルト。化け物である。100ｍと200ｍで世界記録。100ｍは9秒69という驚異的な時計。しかもレース後半は遊びながら走っての余裕の記録。200ｍは1996年以来の記録更新。100ｍと200ｍの両冠はあのカール・ルイス以来。100ｍと200ｍの同時記録更新は、史上初。200ｍの決勝は、ジャマイカ時間で朝の９時３０分だった。事務所で秘書のマリッサが「食堂でみんな騒いでるわよ」と教えてくれ、と...
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アリを流すのだ
風呂場にアリが群がっているのはなぜだろう。足の踏み場がないほど、ということはないけど、目障りなぐらいにいる。ぼくの体から、なにか甘いものが出ているのだろうか。アリが寄ってくるほど。オレはそんなにスウィートじゃない。じゃあ、何かフェロモンみたいなものが出ているのか。マンションの５階までわざわざ上がって風呂場に忍び込ませるほどの強烈な引き寄せフェロモンが。それだったら風呂場じゃなくてぼくの寝室に来ればい...
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ハリケーンの後始末
仕事が忙しいというのに、こういうときに限って昔やって忘れていたような案件の再検討依頼メールや、歯にものが挟まるような私事お願いメールなどが舞い込んできて、さらにあろうことかハリケーンまでやって来た。おかげで丸一日きっちり停電、さらにハリケーン襲来前後の天災バタバタで、三日分ほど仕事にならなかった。仕事がさほど忙しくないときならば、「ほう。ハリケーンか。じっくり拝見しようではないか、カリブのハリケーン...
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ジャマイカの巨帽おじさん
この人を最初に見たとき、「おっ！ガキデカっ！」と思った。このでかい帽子、どう見てもこまわりくんなのだ。規格外の警察的巨帽をかぶっている。ジャマイカのガキデカ。生尻出して「死刑！」を期待したのだけど、やらなかった。残念である。それに、むれむれタマキンを出してジュンちゃんに押しつけたり、ぶりぶりと道で野糞することもなかった。いいおっさんが巨大もっこり帽をかぶってそんなことしてもらいたい。残念である。この...
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カーラジオから、ボブ・マーリー
ボブ・マーリーの曲がカーラジオからずずんっと流れた。ジャマイカのＦＭ曲だから、レゲエの曲が絶え間なく隙間なくずーっと永遠に永久に流れている。最近はハードコアといってラップ調の戦闘的レゲエが多く、聞いていて疲れるような、うんざりするようなことが多いけど、そこへ来てボブ・マーリーの質素質朴でざらっとしてうねるようなリズムの曲が流れると、思わず耳をそばだてて聞いてしまう。ただ騒がしいだけの最近のレゲエと異...
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パスポートが消えた
今週水曜日に帰国するというのに、パスポートを失くした。紛失に気づいたのが、日曜日の昼過ぎ。出発まで３日。もしなければ、再発行しなければならないから、おそらく予定の便には乗れない。「アチョー！」と大あわてで部屋中をくまなく捜索したが、その結果わかったのは、部屋にパスポートはないということだった。そもそもパスポートは、いつも使っている仕事カバンの中に収まっているはずなのだ。焦ってはいけない、見落としてい...
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時差ボケの睡魔
先日、ジャマイカに戻ってきた。秋めいてすっかり涼しくなった日本からこちらに来ると、やっぱり暑いなあと思う。おそらく３０度とか３１度ぐらいの、真夏の東京の苛立ち猛激暑に比べればかわいいかわいいと頭をなでてやりたいぐらいの優しい気温のはずだけど、秋国から夏国への突然の環境の変化と気温の変化に身体がついていかない。夜もそれなりに暑いから、ぐっすり眠れないというのも体に堪える原因のひとつだ。さらに１４時間あ...
View Article悪い知らせ
家から、よくない知らせが届いた。親父が入院したという。そのメールは、あまりよくない病状を伝えていた。ジャマイカから、日本にいる嫁や妹に、連絡を取った。親父は、激しい頭痛を訴えて救急車で運ばれた。親父の脳に、腫瘍が発見された。３ｃｍほどの大きさのと、それ以外にいくつかあるらしい。精密検査をしなければなんとも言えないが、質の良くない腫瘍の可能性が高い。それをぼくに伝えた妹は、電話口で泣いていた。こういう...
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世界最速男の戦い・パウエルとボルトの一騎打ち（３）
朝、新聞を何気なく見た。ケビンの机においてあったのだ。ケビンは仕事の仲間である。新聞に、ボルトおよびパウエルの写真がでかでかと載っている。「ジャマイカのエース、選手村をチェック！」日本の東スポとか日刊現代のような見出しがドン！と表紙を飾っている。「選手村をチェックしたから、だからどうなんだ！」と言いたくなる。どうでもいい記事である。ジャマイカのエースというのは、もちろんボルトとパウエルである。そして...
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世界最速男の戦い（４）
本日は、100ｍ男子の決勝ですね。きっと、ボルトとパウエルの一騎打ちだと思う。でも、この二人はちゃんと決勝に残っているんだろうか。テレビや新聞を見てないから、全然わからない。この二人が決勝に出るという前提で、強引に話を進めます。６月に、二人の熱い戦いをジャマイカで見たのだ。世界一位と二位の対決。きっと、みんな賭けるための資料がほしいと思うので（だれも賭けない賭けない）、そのための貴重な前走の結果を報...
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ジャマイカが沸いている！
ウセイン・ボルト。化け物である。100ｍと200ｍで世界記録。100ｍは9秒69という驚異的な時計。しかもレース後半は遊びながら走っての余裕の記録。200ｍは1996年以来の記録更新。100ｍと200ｍの両冠はあのカール・ルイス以来。100ｍと200ｍの同時記録更新は、史上初。200ｍの決勝は、ジャマイカ時間で朝の９時３０分だった。事務所で秘書のマリッサが「食堂でみんな騒いでるわよ」と教えてくれ、と...
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アリを流すのだ
風呂場にアリが群がっているのはなぜだろう。足の踏み場がないほど、ということはないけど、目障りなぐらいにいる。ぼくの体から、なにか甘いものが出ているのだろうか。アリが寄ってくるほど。オレはそんなにスウィートじゃない。じゃあ、何かフェロモンみたいなものが出ているのか。マンションの５階までわざわざ上がって風呂場に忍び込ませるほどの強烈な引き寄せフェロモンが。それだったら風呂場じゃなくてぼくの寝室に来ればい...
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ハリケーンの後始末
仕事が忙しいというのに、こういうときに限って昔やって忘れていたような案件の再検討依頼メールや、歯にものが挟まるような私事お願いメールなどが舞い込んできて、さらにあろうことかハリケーンまでやって来た。おかげで丸一日きっちり停電、さらにハリケーン襲来前後の天災バタバタで、三日分ほど仕事にならなかった。仕事がさほど忙しくないときならば、「ほう。ハリケーンか。じっくり拝見しようではないか、カリブのハリケーン...
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ジャマイカの巨帽おじさん
この人を最初に見たとき、「おっ！ガキデカっ！」と思った。このでかい帽子、どう見てもこまわりくんなのだ。規格外の警察的巨帽をかぶっている。ジャマイカのガキデカ。生尻出して「死刑！」を期待したのだけど、やらなかった。残念である。それに、むれむれタマキンを出してジュンちゃんに押しつけたり、ぶりぶりと道で野糞することもなかった。いいおっさんが巨大もっこり帽をかぶってそんなことしてもらいたい。残念である。この...
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カーラジオから、ボブ・マーリー
ボブ・マーリーの曲がカーラジオからずずんっと流れた。ジャマイカのＦＭ曲だから、レゲエの曲が絶え間なく隙間なくずーっと永遠に永久に流れている。最近はハードコアといってラップ調の戦闘的レゲエが多く、聞いていて疲れるような、うんざりするようなことが多いけど、そこへ来てボブ・マーリーの質素質朴でざらっとしてうねるようなリズムの曲が流れると、思わず耳をそばだてて聞いてしまう。ただ騒がしいだけの最近のレゲエと異...
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パスポートが消えた
今週水曜日に帰国するというのに、パスポートを失くした。紛失に気づいたのが、日曜日の昼過ぎ。出発まで３日。もしなければ、再発行しなければならないから、おそらく予定の便には乗れない。「アチョー！」と大あわてで部屋中をくまなく捜索したが、その結果わかったのは、部屋にパスポートはないということだった。そもそもパスポートは、いつも使っている仕事カバンの中に収まっているはずなのだ。焦ってはいけない、見落としてい...
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時差ボケの睡魔
先日、ジャマイカに戻ってきた。秋めいてすっかり涼しくなった日本からこちらに来ると、やっぱり暑いなあと思う。おそらく３０度とか３１度ぐらいの、真夏の東京の苛立ち猛激暑に比べればかわいいかわいいと頭をなでてやりたいぐらいの優しい気温のはずだけど、秋国から夏国への突然の環境の変化と気温の変化に身体がついていかない。夜もそれなりに暑いから、ぐっすり眠れないというのも体に堪える原因のひとつだ。さらに１４時間あ...
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家から、よくない知らせが届いた。親父が入院したという。そのメールは、あまりよくない病状を伝えていた。ジャマイカから、日本にいる嫁や妹に、連絡を取った。親父は、激しい頭痛を訴えて救急車で運ばれた。親父の脳に、腫瘍が発見された。３ｃｍほどの大きさのと、それ以外にいくつかあるらしい。精密検査をしなければなんとも言えないが、質の良くない腫瘍の可能性が高い。それをぼくに伝えた妹は、電話口で泣いていた。こういう...
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